阿波しらさぎ文学賞

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阿波しらさぎ文学賞 終了

令和5年12月19日 徳島新聞掲載

全国公募の掌編小説コンクール「阿波しらさぎ文学賞」を主催する徳島文学協会と徳島新聞社は18日、今年の第6回を最後に作品募集を終了することを決めた。

※徳島新聞ニュースはこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/1011637

受賞作の世界観楽しむ
徳島市でしらさぎ文学賞記念トーク

令和5年9月10日 徳島新聞掲載

※徳島新聞ニュースはこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/956366

第6回 阿波しらさぎ文学賞 受賞発表

令和5年8月17日 徳島新聞掲載

阿波しらさぎ文学賞 『渦とコリオリ』坂崎かおるさん(横浜市)
徳島新聞賞       『聖域』 幸田羊助さん(鳴門市出身、兵庫県尼崎市)
徳島文学協会賞     該当作なし


徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第6回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)で、大賞の阿波しらさぎ文学賞は、坂崎かおるさん(39)=横浜市、本名と顔写真非公表=の「渦とコリオリ」に決まった。徳島県内在住者と徳島出身者が対象の徳島新聞賞は幸田羊助さん(34)=本名洋介、鳴門市出身、兵庫県尼崎市=の「聖域」に贈られ、25歳以下を対象とした徳島文学協会賞は該当作がなかった。
応募427点(県内123点)の中で、最終選考に残った16点から入賞2点が決まった。

※徳島新聞ニュースはこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/942298

第6回 阿波しらさぎ文学賞 1・2次選考を終えて

令和5年7月31日 徳島新聞掲載

最終選考作品16点が決まった「第6回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)。選考に当たった徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)に寄稿してもらった。
今回は41都道府県と、海外から計427点の応募があった。2022年より減少したが、第1回から6回連続で400点を超えた。応募者の最高齢は91歳、最年少は10歳で、平均年齢は44・5歳と例年通り幅広い層から作品が寄せられた。
まず1次選考通過作50作品を選び、2次選考では、その中から16点を選出した。2次通過作が最終候補となる。
1次選考通過者の最年少は19歳、最年長は90歳だった。30歳以下が16人に対して50歳以上の中高年も13人が通過しており、幅広い年齢層から通過者が出ている。
特に70歳以上の1次通過者が5人おり、中高年の書き手が増加した。また、徳島県関連の書き手(出身者を含む)も18人と、22年より大幅に増えた。これまでと比較し、中高年の書き手や、徳島関連の書き手の活躍が目立つのが特徴だ。年齢や地域の偏りが解消されつつある兆しを感じた。
世界を取り巻く状況が大きく変化してゆく中、作品のテーマも一層多様化している。22年まで目立った前衛的な作品や、哲学的考察を内包したものもあるが、人間の営みを丁寧に見つめて描く良作も多かった。
作中に表現された徳島に関する要素については、定番のスダチ、阿波踊り、眉山、渦潮、祖谷渓などが目立つ一方で、大塚国際美術館や轟の滝、ひょうたん島クルーズ、三好市出身の洋画家山下菊二、にし阿波の世界農業遺産なども取り上げられていた。
2次選考通過の16点は例年同様にレベルが高い。どの作品も、言葉の選択が細部にわたって行き届いており、内容に関しても個性が際立っている。23年も最終選考会が難航することは必至だ。この難関を切り抜け、見事栄冠を勝ち取った人は、きっと過去の受賞者同様、中央の文壇から注目されることだろう。
最終選考会は芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんを中心に開催される。阿波しらさぎ文学賞、徳島県関連の徳島新聞賞、25歳以下を対象とする徳島文学協会賞、三つの受賞作の発表を楽しみにお待ちいただきたい。

最終候補作品

「フェリー」西由美子(東京都)
「ヒフ」河音直歩(東京都)
「甘い水、苦い水」髙村峰生(イギリス)
「星鳥『アノリス』」福元皓章(鳴門市)
「供物」渋皮ヨロイ(東京都)
「ゾエの木」山川葉子(フランス)
「虫草」万庭苔子(東京都)
「渦とコリオリ」坂崎かおる(神奈川県)
「聖域」幸田羊助(鳴門市出身)
「フェナカイト」菊野啓(徳島市)
「橋を切る」才谷文子(東京都)
「白い襞の渦」谷田七重(埼玉県)
「睡蓮」雛倉さりえ(滋賀県)
「沙汰DAY」中川マルカ(東京都)
「あわいの夜」青田雪生(徳島市)
「やましたの戦争」高田九円(神奈川県)

(順不同、敬称略)


一次選考通過作品

「野辺ほとばしる」三宅美奈子(神奈川県)
「過ぎ去る」宮本大輔(小松島市)
「ほら吹き鳥」真木ダイク(鹿児島県)
「グローカライズ」宮月中(徳島市)
「対岸の二人」花屋澄(徳島市出身)
「セイタカアワダチソウ」宗武子(上板町)
「水をわけ合う」草間小鳥子(神奈川県)
「別れ」木下訓成(広島県)
「散華の海」モリヨウ(千葉県)
「轟」平石蛹(大阪府)
「幽明」馬見理子(徳島市)
「土を継ぐ」樋口悠(佐賀県)
「谷川多九郎物語」清水伸浩(茨城県)
「波の妹」正井(大阪府)
「夢に浮かされて」貴田雄介(熊本県)
「帰郷」佐々木翔(石井町)
「浮かぶ」メイン&フレイザー(静岡県)
「仏壇にラガービールを」岡崎國穂(三好市出身)
「流れ」未谷みう(福岡県)
「箱庭」藤野ふじの(東京都)
「眉山が動いた」朝岡みゆき(愛知県)
「命の眠る場所」太田真未(石井町)
「妻のポシェット」織江耕太郎(東京都)
「阿波踊りの神様」利幸(吉野川市)
「青と青」伊藤美希(鳴門市出身)
「春の害虫」湯谷良平(埼玉県)
「時の峠」小西勇士(美馬市)
「残火」春河純一(神奈川県)
「昔ばなし」尾野森生(海陽町)
「夜の船」鎌田航(鳴門市)
「キレンゲショウマ」塩野薫(東京都)
「友だちの友だちはガゴジ」稲垣園(愛知県)
「うづのあわ」とわにゆら(埼玉県)
「へだてる海峡 むすぶ鏡島」斎藤澄子(徳島市)


(順不同、敬称略)

第6回 阿波しらさぎ文学賞 国内・英仏から427点

令和5年6月20日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第6回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の募集が締め切られ、427点が寄せられた。昨年より43点減ったものの、第1回から6年連続で400点を超えた。県内からの応募は123点に上り、県出身者からは29点が届いた。応募は、北海道から鹿児島県まで41都道府県に及び、徳島を除くと東京都の87点を最高に神奈川県32点、大阪府20点と続いた。海外はイギリスのロンドンとフランスのモンペリエから2点の応募があった。最年少は10歳、最高齢は91歳。平均年齢は44.5歳だった。徳島文学賞の対象となる25歳以下は88点だった。
応募作は1次選考を経て、芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんらによる最終選考が行われ、受賞作は8月に発表される。

第6回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞 作品募集

募集締切 2023年6月10日

2023年度の募集は終了いたしました。

徳島といえば阿波踊り、人形浄瑠璃など古来より文化芸能が盛んな場所として知られ、最近ではアニメを通したユニークな町おこしが話題になっています。現代文学においても瀬戸内寂聴、北條民雄という偉大な小説家を輩出しており、改めて徳島には様々な文化が生まれる素地があることがわかります。しかし一方で、全国の地方都市同様、文化の都市部集中化や少子化のあおりを大きく受けており、活力に満ちているとは言い難いのも事実です。そのような中、文化的な面から地域創生の一つのきっかけを作ることができればという願いを込めて、徳島文学協会と徳島新聞社が力を合わせて「阿波しらさぎ文学賞」を設立しました。「阿波しらさぎ文学賞」に応募いただいた皆様の作品を通して、徳島という場所の持つ多様な面があぶりだされることで、徳島を再認識、再発見していただく機会になればと思います。また執筆活動を通して、多くの方に生きがいや心の豊かさを実感してもらい、真の地域活性化が促されれば、それに勝る喜びはありません。多くの皆さんから参加いただくため、全国公募としました。ただし徳島の地域や文化、歴史、産業などを作中に登場させてください。単に徳島を賛美するのではなく、徳島のどんな側面をどのように切り取り一編の文学作品として成立させるのか、皆さんの大胆なアプローチを期待しています。

徳島文学協会会長 佐々木 義登

募集要領

募集対象 日本語で書かれた広義の小説作品
※インターネットも含め未発表作品に限ります。
※徳島ゆかりの地域や文化、歴史、産業、人物などを作中に登場させてください。
募集資格 広く全国から募集します
※年齢・性別・職業・国籍は問いません。
原稿枚数 400字詰の原稿用紙に15枚以内
原稿書式 縦書きを原則とする
パソコン・ワープロ原稿の場合は400字詰原稿用紙での換算枚数を明記してください。
表紙にタイトル・住所(徳島出身で県外在住の方はその旨お書きください)・氏名(ペンネームの場合は本名も)・年齢(生年月日)・職業・電話番号(あれば携帯電話も)を書き、作品にはページ番号をつけて右肩をホッチキスでしっかり綴じてください。
応募は1人1編です。
募集締切 2023年6月10日 当日消印有効
※応募作品の変更、訂正、差し替え、返却などはできません。
応募先の宛先 〒770-8572 徳島新聞社 事業部 阿波しらさぎ文学賞係
メールでの応募はこちらです。
メールアドレス awashirasagi.bungakusho@topics.or.jp
※原稿のファイル形式はテキスト形式(.txt)か、Microsoft Word(.doc、.docx)のデータでお願いします。
賞 金

阿波しらさぎ文学賞 30万円
徳島新聞賞     10万円
徳島文学協会賞    3万円

※徳島新聞賞は徳島出身または徳島在住者から、
 徳島文学協会賞は25歳以下の応募者から選ばれます。

最終選考委員 芥川賞作家 吉村 萬壱 氏
2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞
2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞
2014年「ボラード病」、「臣女」
2016年「臣女」で島清恋愛文学賞
芥川賞作家 小山田 浩子 氏
2010年「工場」で第42回新潮新人賞
2013年『工場』で第30回織田作之助賞
2014年「穴」で第150回芥川賞
2021年『小島』
発 表 2023年8月 受賞作は徳島新聞紙上および徳島新聞電子版に掲載します。
※受賞作は発表後、徳間書店の文芸誌「読楽」(2023年12月号)と、徳島文学協会の文芸誌「徳島文學」に掲載します。
※受賞者は徳島新聞のインタビュー取材に協力していただき、写真やプロフィールも掲載します。
※表彰式とトークイベントを9月に開催します。ぜひご参加ください。
※入賞作品の複製権(出版権を含む)、映像化権などの利用権(2次利用を含む)は徳島新聞社に帰属します。入賞作品の出版や2次利用を行う場合は、徳島新聞社との事前協議を必要とします。
問い合わせ先 徳島文学協会事務局
TEL 080-6284-0296(日曜祝日を除く9:00~17:00)
ホームページ https://www.t-bungaku.com/
※原稿の書き方や作品の内容に関するご質問にはお答えできません。
注意点 他の文学賞との二重投稿は失格とします。
応募作品は返却いたしませんので、あらかじめコピーをお取りください。

第5回 阿波しらさぎ文学賞 授賞式/文学トーク 開催

令和4年9月11日 徳島新聞掲載

全国公募の掌編小説コンクール「第5回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式が行われた10日、徳島市の徳島新聞社で受賞者や芥川賞作家らによる記念文学トークがあり、約40人が受賞作への理解を深めた。
受賞者の小川真我(しんが)さん、鎌田航さん、うっかりさんが登壇し、最終選考委員を務めた芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんがオンラインで参加した。徳島文学協会の佐々木義登会長が進行役を務め、今年の文学賞を振り返った。

吉村さんは、大賞の阿波しらさぎ文学賞に輝いた小川さんの「火取虫(ひとりむし)」を、最終選考で強く推した。「想像力の展開の仕方が独りよがりではなく、生じてくる現象を正確に捉える誠実さを持っていた。日常の文脈の中で見逃してしまうところを見る視力がある」と絶賛した。
徳島新聞賞に選ばれた鎌田さんの「眺め」については「人間が戦争の中で抱く無念さや、普通に生活している人が兵隊として死んでいくことが、徳島弁だからこそ伝わってきた」と述べた。
同賞を受賞したもう1作、うっかりさんの「湿り」は、小山田さんが高く評価した。「今生きている社会のつらさを生々しく描いていた。働いている人が感じているストレスが伝わってきた」と評した。

※第5回 阿波しらさぎ文学賞 受賞作品紹介 https://www.topics.or.jp/articles/-/758028

第5回 阿波しらさぎ文学賞 記念文学トーク 聴講者募集

令和4年8月21日 徳島新聞掲載

全国公募の掌編小説コンクール「第5回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の授賞式を9月10日、徳島新聞社で行います。記念行事として、芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんをオンライン参加ゲストに、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使い文学トークを行います。

◇と き     9月10日(土) 13時半開会(13時開場)
◇ところ     徳島新聞放送会館7階(徳島市中徳島町2-5-2)
◇内 容     授賞式の後、受賞者3人とゲスト作家2人らが受賞作や文学をテーマに意見を交わします。
         ※ゲスト作家2人と県外在住の受賞者はZoomによる参加となり、来場はしません。
         ※受賞者は不参加の可能性もあります。
◇入場料     無料。ただし聴講券が必要。
◇申し込み方法  往復はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、参加人数(1枚につき2人まで)、電話番号を明記。
         〒770-8572 徳島新聞社事業部「阿波しらさぎ文学賞」係へ
◇締め切り    8月31日(水)必着。先着100名。
         ※新型コロナウイルスの感染拡大状況により中止する場合があります。
◇問い合わせ   徳島新聞社事業部、電話088(655)7331(平日9時半~17時半)

第5回 阿波しらさぎ文学賞 受賞発表

令和4年8月17日 徳島新聞掲載

阿波しらさぎ文学賞 『火取虫(ひとりむし)』小川真我さん(東京都)
徳島新聞賞       『眺め』 鎌田航さん(鳴門市)
            『湿り』 うっかりさん(徳島市)
徳島文学協会賞     該当作なし


徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第5回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)で、大賞の阿波しらさぎ文学賞は、小川真我(しんが)さん(25)=東京都新宿区、派遣社員=の「火取虫(ひとりむし)」に決まった。これまでで最年少の大賞受賞。県内在住者と徳島出身者に贈られる徳島新聞賞は2人の同時受賞となり、25歳以下が対象の徳島文学協会賞は該当作がなかった。
44都道府県とフランス、スペイン、米国から計470点(県内152点)の応募があり、最終選考に残った19点から入賞3点が決まった。
徳島新聞賞は鎌田航さん(29)=本名航也、鳴門市鳴門町高島、造船業=の「眺め」と、うっかりさん(39)=本名原田英一、徳島市西須賀町東開、俳句講師=の「湿り」が選ばれた。
阿波しらさぎ文学賞に輝いた「火取虫」は、主人公の秋男が、恋人の夏女(なつめ)の故郷徳島へ一緒に帰り、夏女の思い出の場所を巡りながら幻想と幻覚を体験する物語。秋男は徳島を巡る途中で疲弊し、道端で地獄を目撃する。夏女と眉山のホテルに入った秋男は、そこで夏女が持っていたホームビデオを見る。映像の中で鬼と火遊びする夏女。秋男は、どうにか夏女のところへたどり着かなくてはと思案するが...。
最終選考は芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さん、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)、徳島新聞社の木下一夫理事編集局長が務めた。
選考委員は「言葉の力で直球勝負をした。比喩がうまく、イメージを喚起させた。この人しか書けない独特の世界観がよかった」と高く評価した。

※徳島新聞ニュースはこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/753471

第5回 阿波しらさぎ文学賞 1・2次選考を終えて

令和4年7月31日 徳島新聞掲載

最終選考作品19点が決まった「第5回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)。選考に当たった徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)に寄稿してもらった。
5回目は470点の作品が集まった。国内44都道府県のほか、海外からも4作の応募があった。昨年より減ったが過去2番目の多さだ。応募者の最高齢は96歳、最年少は13歳、平均年齢は45・6歳と幅広い層から作品が寄せられた。
応募の増加を受けて、昨年から2段階で選考することとなっている。1次選考通過者は50人だった。全体として昨年よりさらにレベルが上がったという印象だ。これまでなら通過していた作品が多数、選から漏れた。応募者が繰り返し投稿するうちに年々腕を上げて、全体のクオリティーが上がってきている、という推測は大きく外れていないと思う。
ちなみに1次通過者の最年少は18歳、最年長は80歳だった。また徳島県関連の書き手は14人が通過した。昨年同様、若い書き手の活躍が目立ったが、中高年の作者の力作も目を引いた。
昨年はコロナ禍を題材にした作品が多かったが、今回はコロナをテーマにした作品が目に見えて減っていた。作品に盛り込まれた徳島に関する要素は、眉山、渦潮、藍、お遍路、阿波踊りなど定番のほか、大谷焼、木偶、インディゴソックスなど多岐にわたっていた。内容も王道の人間ドラマ、命の営みと誠実に向き合った作品、言葉の力を限界まで引き出そうとする前衛的な作品などさまざまだった。
2次選考については、クオリティーの高い作品が多く選考に苦労した。これまで上位に評価されていた実力者も名を連ねているが、初めて見る書き手も多数いる。たとえ実力があっても容易に通過できない狭き門となった。最終19作には徳島ゆかりの書き手が5人、海外からも2人が残った。どれも際立った個性を発揮しており、表現も細部に至るまで隙がない。過去最高レベルの争いとなることは避けられず、最終選考会が難航するのは想像に難くない。
昨年同様、最終選考会は芥川賞作家の吉村萬壱さん、小山田浩子さんを中心に開催される。阿波しらさぎ文学賞、徳島県関連の徳島新聞賞、25歳以下を対象とする徳島文学協会賞、三つの受賞作の発表をぜひ楽しみにお待ちいただきたい。

最終候補作品

「火取虫」小川真我(東京都)
「眺め」鎌田航(鳴門市)
「緑色の」新田一巳(新潟県)
「流れる」山角洋平(フランス)
「人形たち」木耳(大阪府)
「中洲港に深く」髙村峰生(兵庫県)
「自己紹介が苦手」吉美駿一郎(広島県)
「坪尻心中」馬場広大(宮崎県)
「実」北迫薫(東京都)
「おいでよ、徳島。」日比野心労(新潟県)
「冷淡」菊野啓(徳島市)
「ふぃっしゅ」鍋島大輝(北島町)
「やくそくの箱」中川マルカ(東京都)
「湿り」うっかり(徳島市)
「ゾウキリン」坂崎かおる(神奈川県)
「あるもの」山川葉子(フランス)
「沙田さん、粉をくう」山本真幸(東京都)
「オフライン」冨士野賢太(小松島市)
「図書館までの路」才谷文子(沖縄県)

(順不同、敬称略)


一次選考通過作品

「もういない場所で」柊木葵(神奈川県)
「渦の子、人の親たちは」中神円(東京都)
「ゆめ」小林映月(東京都)
「犬の子」本條七瀬(大阪府)
「竹林に居る」石田宗之(東京都)
「ジィジィ」芹沢単庵(阿波市)
「DAOを活用した地域活性化計画(純粋小説批判)」塚原怜(東京都)
「光」髙梨花子(千葉県)
「種を燃やす」松樹凛(東京都)
「鯨の庭」太田真未(石井町)
「廃路線」月嶋修平(大阪府)
「海藻」蔭山武史(徳島市)
「ふたりのコータ」奈良原生織(神奈川県)
「二匹」對馬考哉(青森県)
「警鐘」小川碧海(兵庫県)
「尖った横顔」長澤沙也加(埼玉県)
「見てみろ、ヨミオ、今日の月はきれいだぞ」蒼井坂じゅーり(大阪府)
「カピバラネバーノウズ」新藤茉広(千葉県)
「渦」伊藤美希(鳴門市出身)
「顔」折井かずは(東京都)
「セニエの旦那」立田優詞(阿南市出身)
「ウニの化石には棘がない」円井定規(東京都)
「命の名」槲田瑶子(香川県)
「骨」尾野森生(海陽町)
「ゆれる」佐藤相平(神奈川県)
「煙と海月」鈴木哲也(板野町)
「草の力」赤木青緑(愛知県)
「瞳の偏食」宮本大輔(小松島市)
「忘れ貝」茜あゆむ(静岡県)
「海辺の終末」春河純一(阿南市)
「うなずきの糸」浮島真矢乃(東京都)


(順不同、敬称略)

第5回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞 作品募集

募集締切 2022年6月10日

2022年度の募集は終了いたしました。

徳島といえば阿波踊り、人形浄瑠璃など古来より文化芸能が盛んな場所として知られ、最近ではアニメを通したユニークな町おこしが話題になっています。現代文学においても瀬戸内寂聴、北條民雄という偉大な小説家を輩出しており、改めて徳島には様々な文化が生まれる素地があることがわかります。しかし一方で、全国の地方都市同様、文化の都市部集中化や少子化のあおりを大きく受けており、活力に満ちているとは言い難いのも事実です。そのような中、文化的な面から地域創生の一つのきっかけを作ることができればという願いを込めて、徳島文学協会と徳島新聞社が力を合わせて「阿波しらさぎ文学賞」を設立しました。「阿波しらさぎ文学賞」に応募いただいた皆様の作品を通して、徳島という場所の持つ多様な面があぶりだされることで、徳島を再認識、再発見していただく機会になればと思います。また執筆活動を通して、多くの方に生きがいや心の豊かさを実感してもらい、真の地域活性化が促されれば、それに勝る喜びはありません。多くの皆さんから参加いただくため、全国公募としました。ただし徳島の地域や文化、歴史、産業などを作中に登場させてください。単に徳島を賛美するのではなく、徳島のどんな側面をどのように切り取り一編の文学作品として成立させるのか、皆さんの大胆なアプローチを期待しています。

徳島文学協会会長 佐々木 義登

第4回 阿波しらさぎ文学賞 授賞式/文学トーク 開催

令和3年9月12日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第4回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式が11日、徳島市の徳島新聞社で開かれた。作品「空気」で大賞の阿波しらさぎ文学賞に輝いたなかむらあゆみさん(48)=徳島市山城西、主婦=ら3人に表彰状と賞金が贈られた。記念行事の文学トークもあった。
なかむらさんは、徳島新聞社の岡本光雄理事らから表彰状と目録、花束を受け取ると「昨年、亡くなった身内の焼き場の空気を作品に閉じ込めておこうと考えた。賞につながったのはいろいろな人との巡り合いがあったから。支えてくれた人に感謝したい。多くの人に読んでもらえてうれしい」と謝辞を述べた。
「にぎやかな村」で徳島新聞賞に選ばれた宮月中(みやつき・ちゅう)さん(27)=徳島市南前川町、大学院生=は「応募を続けて3度目の受賞。今後の執筆活動の励みにつながる。作品を書くたび徳島を深く調べ、徳島の魅力に気付かされて楽しい」と喜びを語った。
「移動する祝祭日」で徳島文学協会賞が贈られた茜あゆむさん(25)=静岡県、フリーター=は、ビデオ会議システムで出席。受賞について「幸運だった。ありがとうございます。高校時代の恩師から万年筆を贈ってもらい、非常にうれしかった」と述べた。
文学トークは、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)の司会進行で、受賞者3人と、最終選考委員を務めた芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんがビデオ会議システムを使い、受賞作品や文学賞の魅力などについて意見を交換した。

※第4回 阿波しらさぎ文学賞 受賞作品紹介 https://www.topics.or.jp/articles/-/581576

令和3年9月11日 授賞式/文学トーク 参加者募集

令和3年8月19日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第4回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式を9月11日、徳島新聞放送会館で行います。記念行事として、芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんをオンライン参加ゲストに、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使い文学トークを行います。

◇と き     9月11日(土) 13時半開会(13時開場)
◇ところ     徳島新聞放送会館7階(徳島市中徳島町2-5-2)
◇内 容     授賞式の後、受賞者3人とゲスト作家2人らが受賞作や文学をテーマに意見を交わします。
         ※ゲスト作家2人と県外在住の受賞者はZoomによる参加となり、来場はしません。
         ※受賞者は不参加の可能性もあります。
◇入場料     無料。ただし聴講券が必要。
◇申し込み方法  往復はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、参加人数(1枚につき2人まで)、電話番号を明記。
         〒770-8572 徳島新聞社事業部「阿波しらさぎ文学賞」係へ
◇締め切り    8月31日(火)必着。先着100名。
         ※新型コロナウイルスの感染拡大状況により中止する場合があります。
◇問い合わせ   徳島新聞社事業部、電話088(655)7331(平日9時半~17時半)

第4回 阿波しらさぎ文学賞 受賞発表

令和3年8月10日 徳島新聞掲載

阿波しらさぎ文学賞 『空気』なかむらあゆみさん(徳島市)
徳島新聞賞       『にぎやかな村』 宮月中さん(徳島市)
徳島文学協会賞     『移動する祝祭日』 茜あゆむさん(静岡県)

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第4回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)で、大賞の阿波しらさぎ文学賞は、なかむらあゆみさん(48)=本名中村あゆみ、徳島市山城西3、主婦=の「空気」に決まった。なかむらさんは前回の徳島新聞賞に続く受賞。徳島県人として初の大賞受賞で、女性としても初の阿波しらさぎ文学賞となった。
応募作品は、43都道府県とスペイン在住の日本人から計516点あり、最終選考に残った19点から入賞3点が選ばれた。
県内在住者と徳島出身者を対象にした徳島新聞賞は宮月中(みやつきちゅう)さん(27)=本名星野凜、徳島市南前川町5、大学院生=の「にぎやかな村」が受賞。25歳以下を対象にした徳島文学協会賞は茜あゆむさん(24)=本名大平(おおだいら)歩、静岡県伊東市、フリーター=の「移動する祝祭日」が選ばれた。
阿波しらさぎ文学賞に輝いた「空気」のテーマは、コロナ禍における肉親との死別だ。コロナの流行で空気感染におびえたり、マスク着用や外出自粛などで感じたりする同調圧力のような空気。そんな現実社会にヒントを得て、本来、目に見えないはずのさまざまな空気が随所に浮かび上がる物語になっている。
最終選考委員を務めた芥川賞作家吉村萬壱さんと小山田浩子さんは「タイトルが秀逸。空気を読まない母、新型コロナの時代の空気、感染、父の存在の希薄さなどがタイトルに凝縮されていて、切れ味がある。文章がうまくて語句も吟味され、話の運びも自然だ」と高く評価した。

※徳島新聞ニュースはこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/572476

第4回 阿波しらさぎ文学賞 最終候補19作品決まる

令和3年7月29日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の1、2次選考を通過した19作品が決まった。最終選考を経て、8月下旬に大賞の阿波しらさぎ文学賞などが発表される。
内訳は県内5点、県外14点。最年少は21歳、最年長は61歳だった。徳島に関する要素として、阿波踊り、人形浄瑠璃、吉野川、渦潮、四国遍路、平家の落人、海老(えび)ケ池、藍染などが盛り込まれていた。
最終選考委員は、芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さん、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)、徳島新聞社の岡本光雄理事の4人。
阿波しらさぎ文学賞は、徳島の地域活性化や書き手の発掘を目的に2018年に創設。4回目の今年は43都道府県から過去最多の516点の応募があった。徳島文学協会により選考が行われた。

最終候補作品

「逆上がり少女」長澤沙也加(埼玉県)
「死灰(しかい)燃ゆ」枚方天(東京都)
「海峡を渡らざるもの」菊野啓(徳島市)
「あたしたちの橋」木林咲子(福岡県)
「うずまく青」花田海月(福岡県)
「水に浮かぶ」高梨花子(千葉県)
「移動する祝祭日」茜あゆむ(静岡県)
「海から渓谷まで」江田はこ(岩手県)
「川川」海乃凧(東京都)
「交歓」茶田記麦(東京都)
「空気」なかむらあゆみ(徳島市)
「反射率」中川朝子(愛知県)
「降る」丑込卜悟(石川県)
「にぎやかな村」宮月中(徳島市)
「大宜都比売の甕と瓶」山川葉子(東京都)
「お友達にならない?」深見仁(吉野川市)
「The Jesus and Mary Chain」鎌田航也(鳴門市)
「共鳴」瀬戸千歳(東京都)
「アリス・イン・シーフードスパゲッティ」奈良原生織(神奈川県)

(順不同、敬称略)


一次選考通過作品

「リューナの青いロータスエラン スプリント」蒼井坂じゅーり(大阪府)
「月読の塔」北迫薫(東京都)
「ばあちゃん」如月楓(鹿児島県)
「夜勤はまだ明ける」高田九円(神奈川県)
「フィニッシャーズタオル」伊和七種(東京都)
「徳島もうで(愛しき人へ)」岸田秀利(東京都)
「渦巻考」松尾模糊(東京都)
「犬墓伝説」天竹駿汰(徳島市)
「忘れたりない日本人」井野裕(大分県)
「飛白Ⅲ」十三不塔(愛知県)
「彼女たちの部屋」袋布修一(千葉県)
「鳴門回想」上原果(東京都)
「魔術師の韓紅(からくれない)」吉美駿一郎(広島県)
「ナミの涙」相薗淑子(福岡県)
「ありとあらゆるもの」苦草堅一(東京都)
「アクアレーベル」今枝孝之(東京都)
「父アセンション」首都大学留一(東京都)
「未来がこちらを見ている」見坂卓郎(東京都)
「遁走(トンズラ)」西山由美(東京都)
「火夫」長岡マイル(佐那河内村)
「どうやったって」渋皮ヨロイ(東京都)
「パシャンパシャン」ふぢのやまい(東京都)
「ジャスチフィケーション」草葉ミノタケ(東京都)
「聖(せいんと)すだち伝説」佐々木鬼三郎(北海道)
「眉山に映る」笛宮ヱリ子(東京都)
「語り継ぐものたち」目黒ユキオ(徳島市)
「ぞめきの匂い ぞめきのあと」もも(徳島県出身)
「木を倒す」山下タロウ(松茂町)
「ゾメキオブザデッド」岩井平米(徳島県出身)
「巨石と女神の足裏」玉季明々(神奈川県)
「言語的慣性ドリフト」幸村燕(千葉県)


(順不同、敬称略)

第4回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞 作品募集

募集締切 2021年6月10日

2021年度の募集は終了いたしました。

徳島といえば阿波踊り、人形浄瑠璃など古来より文化芸能が盛んな場所として知られ、最近ではアニメを通したユニークな町おこしが話題になっています。現代文学においても瀬戸内寂聴、北條民雄という偉大な小説家を輩出しており、改めて徳島には様々な文化が生まれる素地があることがわかります。しかし一方で、全国の地方都市同様、文化の都市部集中化や少子化のあおりを大きく受けており、活力に満ちているとは言い難いのも事実です。そのような中、文化的な面から地域創生の一つのきっかけを作ることができればという願いを込めて、徳島文学協会と徳島新聞社が力を合わせて「阿波しらさぎ文学賞」を設立しました。「阿波しらさぎ文学賞」に応募いただいた皆様の作品を通して、徳島という場所の持つ多様な面があぶりだされることで、徳島を再認識、再発見していただく機会になればと思います。また執筆活動を通して、多くの方に生きがいや心の豊かさを実感してもらい、真の地域活性化が促されれば、それに勝る喜びはありません。多くの皆さんから参加いただくため、全国公募としました。ただし徳島の地域や文化、歴史、産業などを作中に登場させてください。単に徳島を賛美するのではなく、徳島のどんな側面をどのように切り取り一編の文学作品として成立させるのか、皆さんの大胆なアプローチを期待しています。

徳島文学協会会長 佐々木 義登

第3回 阿波しらさぎ文学賞 授賞式/文学トーク 開催

令和2年9月13日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式が12日、徳島市の新聞放送会館で開かれた。記念行事の文学トークもあった。
新型コロナウイルスの影響で、「あまいがきらい!」で大賞の阿波しらさぎ文学賞に輝いた蕪木Q平さん(32)=横浜市、元学童保育児童支援員=と、「去年の桜」で徳島文学協会賞に選ばれた三浦みなみさん(25)=吉野川市出身、埼玉県所沢市、大学職員=は、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使ったリモート参加で、表彰状と賞金が、お披露目された。
「檻」で徳島新聞賞に選ばれた、なかむらあゆみさん(47)=徳島市山城西、主婦=は会場に出席し、徳島新聞社の岡本光雄理事から表彰状を受けた。

文学トークもズームを交えて行われた。徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)の司会進行で、受賞者3人、最終選考委員を務めた芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さん、ゲスト作家で2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんらが、受賞作品について意見を交わした。

※第3回 阿波しらさぎ文学賞 受賞作品紹介 https://www.topics.or.jp/articles/-/410348


リモートによる文学トークイベント

徳島新聞賞のなかむらあゆみさん

第3回 阿波しらさぎ文学賞 受賞発表

令和2年8月17日 徳島新聞掲載

阿波しらさぎ文学賞 『あまいがきらい!』蕪木Q平(横浜市)
徳島新聞賞       『檻』 なかむらあゆみさん (徳島市)
徳島文学協会賞     『去年の桜』 三浦みなみ (吉野川市出身)

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)で、大賞の阿波しらさぎ文学賞は蕪木Q平さん(31)=本名高橋久平、横浜市神奈川区、学童保育児童支援員=の「あまいがきらい!」に決まった。41都道府県から465点の応募があり、最終選考に残った28点の中から選ばれた。
徳島県内在住者と徳島出身者を対象にした徳島新聞賞は、なかむらあゆみさん(47)=本名中村あゆみ、徳島市山城西3、主婦=の「檻」が受賞。25歳以下を対象にした徳島文学協会賞は、三浦みなみさん(25)=吉野川市出身、東京都中野区、大学職員=の「去年の桜」になった。
最終選考委員の芥川賞作家吉村萬壱さんと小山田浩子さんらは「独特の語り口で、極限状態で生きる子どもたちの今をリアルに捉えている。2020年の大賞作品としてふさわしい」と評価した。

来月12日授賞式 文学トーク開催 一般参加可能
「第3回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の授賞式が9月12日午後2時から、徳島市の新聞放送会館で開かれる。
記念事業として、吉村さん、小山田さん、2020年本屋大賞作家の凪良ゆうさんと受賞者が受賞作について意見を交わす文学トークイベントも行われる。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、作家3人と県外在住の受賞者は、ビデオ会議システム「Zoom」を使って参加する。誰でも参加でき無料だが、聴講券が必要。
問い合わせは徳島新聞社事業部<電088(655)7331>(平日の午前9時半~午後5時半)

※徳島新聞ニュースはこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/405679

第3回 阿波しらさぎ文学賞 一次選考を終えて

令和2年7月31日 徳島新聞掲載

第3回となる今年は41都道府県から昨年を上回る465作品の応募があった。ジャンルは多岐にわたり、内容もバラエティーに富んでいた。全体のレベルは第2回よりさらに上がっている。昨年の基準で選ぶと一次通過が当初の想定数をはるかに上回ってしまうため、残念ながら不通過とした優れた作品も多数あった。
結果的に通過作は28作品とし、昨年より2作増やした。最年少は16歳、最年長は72歳。今回の特徴は、女性の一次通過者が増えたことだ。なお徳島県関連の書き手の応募数はやや減ったが、クオリティーは昨年より上がった。また10代~20代の徳島の若い書き手の中に、驚くべき才能の持ち主がいることが分かった。阿波しらさぎ文学賞が才能の発掘の場になっていることを改めて感じた。今後、芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんを中心に最終選考会が開催される。

一次選考通過作品

「うたかた」(高田九円)神奈川県
「去年の桜」(三浦みなみ)吉野川市出身
「溺死ロック」(洛田二十日)東京都
「私は今日まで生きてみました」(北迫薫)東京都
「かったい道の木偶まわし」(菊野啓)徳島市
「空白からそれぞれの永遠が開かれるまで」(洸村静樹)埼玉県
「巻き貝眉毛砂の体」(笠井カヤナ)埼玉県
「1/3(さんぶんのいち)」(黒津正博)徳島市
「ジョン」(五十嵐壮人)大阪府
「旅」(北原由登)徳島市
「No place for young men」(幸田羊介)鳴門市出身
「ミッション・ヴォルテックス」(小林猫太)新潟県
「檻」(なかむらあゆみ)徳島市
「朝顔と三味線と、そしてスダチ」(和泉真矢子)兵庫県
「夢見る約束」(川西晴登)阿南市
「引力」(海坂恵)東京都
「ぞめき立つ冬」(藤城孝輔)岡山県
「虹のうず、青のうず」(張文經)東京都
「石になる」(宮月中)徳島市
「いのちの水面」(日隅すずり)香川県
「ちちぢち」(蜂本みさ)京都府
「羽の胎児」(末素生児)大阪府
「あまいがきらい!」(蕪木Q平)神奈川県
「牛打ち坊」(宮地辰明)徳島市
「Ta-p-ca-a-ra-i-que tick!」(大崎新)鳥取県
「水と話した」(冬乃くじ)東京都
「子泣き爺に魅せられて」(益岡和朗)埼玉県
「開かれた未来」(金村亜久里)神奈川県

(順不同、敬称略)

応募465点過去最多/ステイホームで創作増か

令和2年6月29日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の募集が締め切られ、昨年の426点を上回る最多の465点の応募があった。最終選考委員が芥川賞作家2人に増えたことや、外出自粛の影響で自宅で小説を書くきっかけにつながったのが増加の原因。今回からメールでの応募が可能になったことも相乗効果となり、3年連続の400点超えとなった。
内訳は県内(徳島県出身者を含む)が174点、県外が291点。県内からの応募が昨年より51点減ったものの、県外からは90点増えた。都道府県別(徳島を除く)では、東京が81点で最も多く、大阪が40点、神奈川28点と続く。茨城、埼玉、千葉、京都、兵庫、広島からも10点以上が寄せられた。 25歳以下の作品は前回より34点少ない74点だった。最年少は12歳、最年長は92歳、平均年齢は45・6歳。
一次選考を行う徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)は、新型コロナウイルスの感染拡大というこれまで体験したことがない状況の中で、社会と自己の関わりを見詰め直したり、自分のアイデンティティーを掘り下げたりする機会が創り出されたのではないかとみている。 その上で「今までとは違った切り口で表現された作品も多いはず。文学の新たな兆しを見つけられることを期待して選考に当たりたい」と話している。
一次選考を経て、吉村さん、小山田さん、佐々木さん、岡本光雄徳島新聞社理事の4人による最終選考会が行われ、8月に受賞作が決まる。

9月12日授賞式にゲスト作家/凪良ゆうさんトーク

令和2年5月29日 徳島新聞掲載

「第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の授賞式が9月12日、徳島市の新聞放送会館で開かれる。
記念行事として行われる文学トークのゲストには、2020年本屋大賞に選ばれた作家凪良ゆうさんらを招く。
阿波しらさぎ文学賞は、6月10日まで作品を募集中。徳島文学協会による一次選考を経て、8月に最終選考委員の吉村萬壱さんと小山田浩子さんらによる最終審査が行われ、大賞の阿波しらさぎ文学賞(賞金30万円)、徳島出身者および徳島在住者から選ぶ徳島新聞賞(賞金10万円)、25歳以下から選ぶ徳島文学協会賞(賞金3万円)が決まる。
授賞式の後、受賞者3人と、凪良さん、吉村さん、小山田さんが受賞作について意見を交わす。

凪良さんは、2006年に雑誌『小説花丸』に「恋するエゴイスト」が掲載され、07年に「花嫁はマリッジブルー」でデビュー。 男性同士の恋愛を描くボーイズラブ(BL)ジャンルで活躍した後、BLでない一般文芸書として刊行した初の単行本「流浪の月」で本屋大賞を射止めた。

第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞 作品募集

募集締切 2020年6月10日

2020年度の募集は終了いたしました。

徳島といえば阿波踊り、人形浄瑠璃など古来より文化芸能が盛んな場所として知られ、最近ではアニメを通したユニークな町おこしが話題になっています。現代文学においても瀬戸内寂聴、北條民雄という偉大な小説家を輩出しており、改めて徳島には様々な文化が生まれる素地があることがわかります。しかし一方で、全国の地方都市同様、文化の都市部集中化や少子化のあおりを大きく受けており、活力に満ちているとは言い難いのも事実です。そのような中、文化的な面から地域創生の一つのきっかけを作ることができればという願いを込めて、徳島文学協会と徳島新聞社が力を合わせて「阿波しらさぎ文学賞」を設立しました。「阿波しらさぎ文学賞」に応募いただいた皆様の作品を通して、徳島という場所の持つ多様な面があぶりだされることで、徳島を再認識、再発見していただく機会になればと思います。また執筆活動を通して、多くの方に生きがいや心の豊かさを実感してもらい、真の地域活性化が促されれば、それに勝る喜びはありません。多くの皆さんから参加いただくため、全国公募としました。ただし徳島の地域や文化、歴史、産業などを作中に登場させてください。単に徳島を賛美するのではなく、徳島のどんな側面をどのように切り取り一編の文学作品として成立させるのか、皆さんの大胆なアプローチを期待しています。

徳島文学協会会長 佐々木 義登

小山田浩子さんが新たに選考委員に

令和元年12月24日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした掌編小説コンクール「第3回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の全国公募が2020年1月15日から始まる。今回から芥川賞作家の小山田浩子さん(36)が新たに最終選考委員に加わり、18、19年にも審査した芥川賞作家の吉村萬壱さん(58)との二枚看板となる。過去2回とも400点を超す応募があった阿波しらさぎ文学賞。女性選考委員が加わり、新たな応募が期待できそうだ。

小山田さんは1983年、広島市生まれ。4歳年上の夫が徳島県出身で毎年のように徳島を訪れている。2010年「工場」で新潮新人賞、13年に同作で織田作之助賞、14年「穴」で芥川賞を受賞した。

第2回 阿波しらさぎ文学賞 授賞式/文学トーク 開催

令和元年9月10日 徳島新聞掲載

全国公募の掌編小説コンクール「第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式が行われた8日、徳島市の新聞放送会館で受賞者や直木賞作家らによる文学トークがあり、約120人が耳を傾けた。
受賞者の佐川恭一さんと桐本千春さん、宮月中さんに加え、直木賞作家の角田光代さん、芥川賞作家の吉村萬壱さんと玄月さんが登壇。徳島文学協会の佐々木義登会長の進行で、受賞作について意見を交わした。
選考委員長を務めた吉村さんは「全体的に昨年よりレベルアップした」と強調。大賞の阿波しらさぎ文学賞に選んだ佐川さんの作品を「ばかばかしい内容に、どうしてそこまでと突っ込みたくなるほど生真面目に書き込んでいる。でも、それが作者の狙いで、何回読んでも笑いがこみ上げる」と称賛した。

※第2回 阿波しらさぎ文学賞 受賞作 はこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/247287


徳島文学協会賞を受賞した宮月中さん

文学トーク

第2回 阿波しらさぎ文学賞 受賞発表

令和元年8月18日 徳島新聞掲載

阿波しらさぎ文学賞 『踊る阿呆』 佐川恭一 (大阪府)
徳島新聞賞       『胸をつらぬく』 桐本千春 (徳島市)
徳島文学協会賞     『いらっしゃいマンション』 宮月中 (徳島市)

「第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)で、大賞の阿波しらさぎ文学賞は佐川恭一さん(34)=大阪府=の「踊る阿呆」に決まった。芥川賞作家で最終選考委員長を務めた吉村萬壱さんは「あざとくなく自然な感じで爆笑できる作品。面白さが最後までぶれず徹底していた。肩の凝らない内容ながら『自分とは何か』という哲学的なテーマも含まれ、ばかばかしい中にも真摯なものを感じた」と評価した。
徳島県内在住者と徳島出身者を対象にした徳島新聞賞は、桐本千春さん(55)=徳島市中島田町1、看護職=の「胸をつらぬく」が受賞。25歳以下を対象とした徳島文学協会賞は、宮月中さん(25)=本名星野凜、徳島市南前川町5、徳島大大学院=の「いらっしゃいマンション」になった。宮月さんは2年連続の徳島文学協会賞。
「第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の表彰式が9月8日午後2時から、徳島市の新聞放送会館で開かれる。 吉村さん、芥川賞作家の玄月さん、直木賞作家の角田光代さんと受賞者が受賞作について意見を交わす文学トークイベントも行われる。 誰でも参加でき、無料だが、聴講券が必要。
問い合わせは徳島新聞社事業部<電088(655)7331>(平日の午前9時半~午後5時半)。

※徳島新聞ニュースはこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/244685

第2回 阿波しらさぎ文学賞 26作品が最終選考へ

令和元年8月7日 徳島新聞掲載

「第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の一次選考を通過した26作品が決まった。芥川賞作家の吉村萬壱さんらによる最終選考を経て、今月下旬、大賞の阿波しらさぎ文学賞などが発表される。内訳は県内11点、県外15点で、作者の最年少は18歳、最年長は71歳だった。阿波踊り、祖谷のかずら橋、眉山、人形浄瑠璃、スダチ、古民家などの要素が盛り込まれていた。阿波しらさぎ文学賞には賞金30万円、徳島県内在住者および出身者から選ぶ徳島新聞賞には10万円、25歳以下を対象にした徳島文学協会賞には3万円が贈られる。受賞3作品は徳島新聞紙上と徳島新聞電子版に全文が掲載される。来春、発行される徳島文学協会の文芸誌「徳島文學」にも転載される予定。

一次選考通過作品

「踊る阿呆」(佐川恭一)大阪府
「怒濤の海」(笠井智樹)石井町
「そして吉野川になる」(池神泰三)東京都
「首なし馬」(深見仁)吉野川市
「落果」(なかむらあゆみ)徳島市
「すだち酎」(對馬考哉)青森県
「水際公園叙景」(黒津正博)徳島市
「とくし漫才」(蒼井坂じゅーり)大阪府
「泥で建てた家」(長崎朝)東京都
「祖谷の空にその名を叫びに」(大森茂幸)神奈川県
「空虚の眼の中で」(眠たい蛙)京都府
「ダサい国」(北原由登)徳島市
「胸をつらぬく」(桐本千春)徳島市
「スダチザル」(宮内鉄家)三好市
「そんな夜には」(清水麻美)大阪府
「お弓」(赤松利市)東京都
「いらっしゃいマンション」(宮月中)徳島市
「死後の回想」(大城益夫)那賀町
「天使の死体」(鎌田航也)鳴門市
「朝霧」(入倉直幹)東京都
「渦」(大崎新)鳥取県
「祖父と僕と、僕らのたった六千字」(細川莉緒)東みよし町
「とおりのながめ」(石田宗之)長崎県
「渦と皮膚」(野木希)東京都
「かちどき橋の女」(馬場広大)鹿児島県
「姉というもの」(ひろし)大阪府

(順不同、敬称略)

第2回 阿波しらさぎ文学賞 記念文学トーク 参加者募集

令和元年8月2日 徳島新聞掲載

全国公募の掌編小説コンクール「第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の授賞式が9月8日、新聞放送会館で行われます。記念行事として芥川賞作家の吉村萬壱さん、玄月さん、直木賞作家の角田光代さんをゲストに文学トークを開きます。

◇と き     9月8日(日)14時開会(13時半開場)
◇ところ     徳島新聞放送会館7階(徳島市中徳島町2-5-2)
◇内 容     授賞式の後、受賞者3人とゲスト作家3人が受賞作や文学をテーマに意見を交わします。
         ※受賞者は、都合により不参加の可能性もあります
◇入場料     無料(ただし聴講券が必要) 
◇申込方法    往復はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、参加人数(1枚につき2人まで)、電話番号を明記し、
         〒770-8572 徳島新聞社事業部「阿波しらさぎ文学賞」係
◇締 切     8月30日(金)必着。先着300名

第2回 阿波しらさぎ文学賞 応募426点昨年上回る

令和元年6月23日 徳島新聞掲載

徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の募集が締め切られ、昨年の422点を上回る426点の応募があった。今年は全国39都道府県から作品が寄せられた。最年少は11歳の小学生で、最年長は92歳だった。一次選考を行う徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大学教授)は「昨年の受賞作のレベルの高さに刺激を受けて、全国から多くの応募が寄せられた。徳島に注目してもらえるきっかけになり、地域活性化につながる」と喜んでいる。一次選考を経て、8月に芥川賞作家の吉村萬一さんらによる最終選考で受賞作が決まる。受賞作は徳島新聞紙上と徳島新聞電子版に全文掲載される。来春、発行される徳島文学協会の文芸誌「徳島文學」にも転載される予定。受賞式は9月8日。

第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞 作品募集

募集締切 2019年6月10日

2019年度の募集は終了いたしました。

徳島といえば阿波踊り、人形浄瑠璃など古来より文化芸能が盛んな場所として知られ、最近ではアニメを通したユニークな町おこしが話題になっています。現代文学においても瀬戸内寂聴、北條民雄という偉大な小説家を輩出しており、改めて徳島には様々な文化が生まれる素地があることがわかります。しかし一方で、全国の地方都市同様、文化の都市部集中化や少子化のあおりを大きく受けており、活力に満ちているとは言い難いのも事実です。そのような中、文化的な面から地域創生の一つのきっかけを作ることができればという願いを込めて、徳島文学協会と徳島新聞社が力を合わせて「阿波しらさぎ文学賞」を設立しました。「阿波しらさぎ文学賞」に応募いただいた皆様の作品を通して、徳島という場所の持つ多様な面があぶりだされることで、徳島を再認識、再発見していただく機会になればと思います。また執筆活動を通して、多くの方に生きがいや心の豊かさを実感してもらい、真の地域活性化が促されれば、それに勝る喜びはありません。多くの皆さんから参加いただくため、全国公募としました。ただし徳島の地域や文化、歴史、産業などを作中に登場させてください。単に徳島を賛美するのではなく、徳島のどんな側面をどのように切り取り一編の文学作品として成立させるのか、皆さんの大胆なアプローチを期待しています。

徳島文学協会会長 佐々木 義登

第2回 徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞 作品募集

平成30年12月25日 徳島新聞掲載

徳島文学協会と徳島新聞社は、掌編小説コンクール「徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の作品を全国から募ります。
今回が2回目で、地域の文化の振興と新たな書き手の発掘が狙いです。
最終選考委員長は前回に続き、徳島ゆかりの芥川賞作家吉村萬壱さんが務めます。
400字詰め原稿用紙15枚以内で徳島の文化や地名、歴史、産業、人物などを盛り込むことが条件です。未発表に限ります。年齢は問いません。 募集は来年1月15日から6月10日(当日消印有効)まで。詳しい応募要領は1月中旬、徳島新聞紙上、このホームページ上で発表します。
第1席の阿波しらさぎ文学賞の賞金は30万円。徳島出身および徳島在住者から選考する徳島新聞賞は10万円、25歳以下を対象とする徳島文学協会賞は3万円です。
徳島文学協会による一次選考を経て、8月に最終選考を行います。受賞作は徳島新聞紙上と徳島新聞のホームページなどに全文掲載するほか、文芸誌「徳島文學」に転載されます。表彰式と記念イベントは9月に行われます。
第1回は全国28都道府県から422点の応募数がありました。

阿波しらさぎ文学賞 授賞式/文学トーク 開催

平成30年9月11日 徳島新聞掲載

平成30年9月9日、徳島市の新聞放送会館で掌編小説コンクール「徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の授賞式と記念行事の文学トークが開かれました。
『青は藍より藍より青』で阿波しらさぎ文学賞に輝いた大滝瓶太さん (31歳・兵庫県神戸市)と、『海風の吹く町で』で徳島新聞賞を受賞した坂東広文さん (58歳・徳島市)に徳島新聞社の宮本正理事編集局長から表彰状と賞金が贈られました。
25歳以下の作者に贈られる徳島文学協会賞は、『お見送りの川』で受賞した宮月中さん (24歳・徳島市)に徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)から表彰状と賞金が贈られました。
その後の文学トークでは、受賞者3人に最終選考委員長を務めた芥川賞作家の吉村萬壱さん、芥川賞作家の玄月さん、直木賞作家の三浦しをんさんが加わり、受賞作品についてそれぞれの意見を交わしました。


徳島文学協会賞を受賞した宮月中さん

文学トーク

阿波しらさぎ文学賞 受賞発表

平成30年8月20日 徳島新聞掲載

阿波しらさぎ文学賞 『青は藍より藍より青』 大滝瓶太 (兵庫県神戸市)
徳島新聞賞       『海風の吹く町で』 坂東広文 (徳島市)
徳島文学協会賞     『お見送りの川』 宮月中 (徳島市)

阿波しらさぎ文学賞は、『青は藍より藍より青』 大滝瓶太 (31歳・兵庫県神戸市)に決まりました。最終選考に残った20作品の中から選ばれました。『青は藍より藍より青』は鳴門海峡に面した町を舞台に、藍染や人形浄瑠璃などを絡めながら、不思議な仮想世界を創出した作品。大滝さんは「徳島の文化や民話をモチーフに、自分なりの作品が書けた。うれしい」と話しています。芥川賞作家で最終選考委員長の吉村萬壱さんは「小説の屋台骨がしっかりしていて面白い。架空の世界の中で描きながらも徳島の未来の可能性を示唆している。発想と密度において、最も受賞にふさわしい作品」と評価しました。

県内在住者と徳島出身者を対象にした徳島新聞賞は、『海風の吹く町で』 坂東広文 (58歳・徳島市)が選ばれました。25歳以下を対象とした徳島文学協会賞は、『お見送りの川』 宮月中 (24歳・徳島市)が選ばれました。最終選考は吉村さんと、徳島新聞社の宮本正理事編集局長、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)の3人が当たりました。

『青は藍より藍より青』と吉村さんの審査評は8月25日付、『海風の吹く町で』は26日付、『お見送りの川』は27日付の徳島新聞朝刊にそれぞれ掲載されます。

※徳島新聞ニュースはこちらから http://www.topics.or.jp/articles/-/88633
※第1回 阿波しらさぎ文学賞 受賞作はこちらから https://www.topics.or.jp/articles/-/145028

平成30年9月9日授賞式/文学トーク 参加者募集

平成30年8月6日 徳島新聞掲載

全国公募の掌編小説コンクール「徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の授賞式が9月9日に新聞放送会館で行われます。記念行事として芥川賞作家の吉村萬壱さんと玄月さん、直木賞作家の三浦しをんさんをゲストに文学トークを開きます。

◇と き     9月9日(日)14時開会(13時半開場)
◇ところ     徳島新聞放送会館7階(徳島市中徳島町2-5-2)
◇内 容     授賞式の後、受賞者3人とゲスト作家3人が受賞作や文学をテーマに意見を交わします。
         ※受賞者は、都合により不参加の可能性もあります。
◇入場料     無料(ただし聴講券が必要)
◇申込方法    往復はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、参加人数(1枚につき2人まで)、電話番号を明記し、
         〒770-8572 徳島県徳島市中徳島町2丁目5番地2 徳島新聞社事業部「阿波しらさぎ文学賞」係
◇締 切     8月31日(金)必着 先着300名
◇問い合わせ   徳島新聞社事業部 <電話 088(655)7331> 平日9時半~17時半

阿波しらさぎ文学賞 一次選考通過 20作品決まる

平成30年7月20日 徳島新聞掲載

阿波しらさぎ文学賞の一次選考を通過した20作品が決まりました。阿波しらさぎ文学賞は、2018年2月から6月までに全国公募され、28都道府県から422点の応募があり、徳島文学協会によって一次選考が行われました。内訳は県外7点、県内13点(県出身者を含む)で、作者の最年少は16歳、最年長は81歳でした。最終選考は、芥川賞作家の吉村萬壱さん、徳島新聞社の宮本正理事編集局長、徳島文学協会の佐々木義登会長の3人が行い、8月下旬に発表されます。

一次選考通過作品

『青は藍より藍より青』 大滝瓶太 (兵庫県神戸市)
『いつか夏のまたたきで』 入倉直幹 (東京都練馬区)
『祖谷の橋・私・かずら橋』 池神泰三 (東京都江戸区)
『罪に苦しむ夏』 桐本さくら (徳島市)
『妖怪探偵は阿波の国の月夜に笑う』 蒼井坂じゅーり (大阪府堺市)
『お見送りの川』 宮月中 (徳島市)
『連行の記憶』 大城益夫 (那賀郡那賀町)
『三隻の船』 鎌田航也 (鳴門市)
『うつせみの町』 蔭山武史 (徳島市)
『海風の吹く町で』 坂東広文 (徳島市)
『帆翔』 山下タロウ (板野郡松茂町)
『化石の夢』 佐々木恒治 (兵庫県宝塚市)
『クロウ・サークル』 桐本千春 (徳島市)
『御座舟入江小景』 坂東秀 (徳島市)
『ハマボウの花咲く海辺』 藤幸勉 (鳴門市)
『あらゆる変容の去来』 兎島徳詩 (埼玉県所沢市)
『ピニャコラーダ』 あおいろ (徳島市)
『エスケープジャーニー』 あくな (徳島市)
『くたびれもうけ』 牧野楠葉 (東京都世田谷区)
『渦潮』 大塚タクシー・ (兵庫県西宮市)

徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞 作品募集

募集締切 平成30年6月10日

平成30年度の募集は終了いたしました。

徳島といえば阿波踊り、人形浄瑠璃など古来より文化芸能が盛んな場所として知られ、最近ではアニメを通したユニークな町おこしが話題になっています。現代文学においても瀬戸内寂聴、北條民雄という偉大な小説家を輩出しており、改めて徳島には様々な文化が生まれる素地があることがわかります。しかし一方で、全国の地方都市同様、文化の都市部集中化や少子化のあおりを大きく受けており、活力に満ちているとは言い難いのも事実です。そのような中、文化的な面から地域創生の一つのきっかけを作ることができればという願いを込めて、徳島文学協会と徳島新聞社が力を合わせて「阿波しらさぎ文学賞」を設立しました。「阿波しらさぎ文学賞」に応募いただいた皆様の作品を通して、徳島という場所の持つ多様な面があぶりだされることで、徳島を再認識、再発見していただく機会になればと思います。また執筆活動を通して、多くの方に生きがいや心の豊かさを実感してもらい、真の地域活性化が促されれば、それに勝る喜びはありません。多くの皆さんから参加いただくため、全国公募としました。ただし徳島の地域や文化、歴史、産業などを作中に登場させてください。単に徳島を賛美するのではなく、徳島のどんな側面をどのように切り取り一編の文学作品として成立させるのか、皆さんの大胆なアプローチを期待しています。

徳島文学協会会長 佐々木 義登

主催/徳島新聞・徳島文学協会
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